仕事の性質上、初めての車両への特殊製作がほとんど。ですから、毎日が「挑戦」です。旧車へのエアコン搭載が増えてきた今、「細かな創り込み」がAVC968のセールスポイントだと考えています。

 さまざまなデザインのクルマたち。良い雰囲気を崩さないモノ創りをモットーに、お客様の思いを具現化できるよう、コミュニケーションを大切にしながら創作していきます。

施工例

isuzu 117coupe(☆☆xe)

 ワンオーナーの角目117クーペはS様の「整備を請け負える業者が少ない。」「クーラー動かないために、ご家族に乗ってもらえない。」とのお悩みからエアコンをR134a化することに。ラジエターやエバポレーターのパンクなど、紆余曲折ありましたが、快適に乗り続けられる仕様に。


エアコンに着手の前にパンクしたラジエターのコア替えを実施。

最低限の走行可能状態を維持しながら少しづつ作り上げていく方法での作業でした。

エバポ・ヒーター・コンデンサ・ブロアの各ユニットは取り外して耐圧検査とオーバーホール。エバポもパンクしていたため、コア替えを実施。R134aへの対応とO-リング化との希望があったため、エバポとコンデンサの配管接続部をO-リング式へ加工。エキパンとレシーバーは新品に。

まともに作動していなかった、非分解式負圧ヒーターバルブは、既に廃盤となっているとのことで、丁寧にカシメを外して内部のO-リング交換とグリスアップで対応。

コンプレッサはワゴンRの物を活用。純正コンプレッサを元に位置出し。純正ステーを加工して取付、パウダーコート仕上げ対応。

エアコン復活はあきらめかけていたとのことで、ご家族からも感謝のお言葉を頂きました。



toyota corolla levin(te27)

 カスタムバイクショップを営むK様は愛娘Ⅿさんの所有する27レビンに「兼ねてから気になっていた電動エアコンを導入したい。」との強いご要望からR134a電動エアコン化を実現しました。


非常に程度の良好なTE27。汎用電動エアコンを使用してシステム構築を実施。

ゴムホースではなく、アルミ配管で繋ぎたい。とのこと。電動コンプレッサはエンジンに固定の必要がないため、手間は掛かりますが、防振やスペースが確保できれば、配管をアルミパイプで作成することは可能です。

汎用エバポが左ハンドル車用なのか、配管をそのまま装着すると隣のヒーター配管に接触する可能性があったため、純正バルクヘッド穴から最短で配管をエンジンルームに引き込めるようにアダプター配管を作成することに。そのため、エバポユニットは分解して、コアを逆さに。また気密と水はけを考慮して組み直すことで、ムダのない作りを実現。グローブボックス下にある小物トレーを切断、短く作り直してエバポスペースを確保。

また、クーラーの操作系を考慮してセンターコンソールに移設。

2TGエンジン搭載車両の中ではエンジンルームが狭めな設計のため、コンデンサーや電動ファンを収めるクリアランス確保は純正エンジンファンの取り外し、ラジエターの位置移動で対応。

電動コンプレッサ取付位置を確保するため、他の電装品などの移設が必至。

オルタとバッテリーを大容量のものに交換。

クーラーが寒いほど効く。とのことで、愛娘Ⅿさんからレアなミニカーを頂いたりと・・喜んでいただけたようで本当に良かったです。



de tomaso pantera(gts)

 空調の様々な実験台になっているパンテーラGTSはAVC代表所有の車両です。ベルト駆動R134aを経て、現在は電動駆動に。お客様に一つでも有益な情報を提供できるよう精進の日々・・。


車両入手時、既に故障した室内機以外ほとんどの空調関係パーツが取り外されていたパンテーラ。室内機修復時にどうしても気になった銅製のコア・・エバポとヒーターがひとつの塊になっているパーツで、当時この手のダッシュの狭い車両によく採用されていた構造のよう。現代では部屋が別れていることが多く(その後、※リヒート方式と知りました…)、また、エアフィルターのない構造のため、これらを見直して、耐久性に配慮した仕組みを作ることに。

様々なコアやフィルターをリサーチして、エバポやヒーターのコアをチョイス。最も小型だったアクアのフィルターを活用して、インダッシュを目指しました。

もともとオイルクーラーの設定がない?この車両。本来のコンデンサ位置にオイルクーラーを装着したため、コンデンサは助手席側の脇腹に室外機ユニットを創作して設置しましたが・・エキマニも近く、熱交換上、好効率とは言えない場所の為、最終的にサブコンデンサも設置することとなりました。

R134aでベルト駆動させておりましたが、現在は電動駆動となっています。

ダッシュ脇に吹出しがないため、室内機へ配管を新設し、両ドア内張り内にエアが通過するように吹出口を増設。


※リヒート方式:ヨーロッパの一部の高級車で使用されていたもので、割高コストだが、通風抵抗が小さくできるメリットがある。→無理に別部屋にする必要はなかったですねー…(汗)



※ベルト駆動・電動駆動はそれぞれメリット・デメリットがあります。この辺りは創作方針の基軸ですので、オーナー様とよく話し合って決定したいと考えております。